ヒナゲシ

うちのベランダの、ホトトギスの鉢に…ヒナゲシがやってきた。
植えた覚えはない。
勝手にやってきたのだ。
ケシの種というのはとても小さいので、風に乗ってやって来る事は充分考えられる。

しかし、この色のヒナゲシ…（まぁポピーなんだが、園芸品種のきれいな色とはほど遠いので敢えてヒナゲシと呼んでおく事にする…）実にそこら中に生えている、もう雑草の扱いでも良いぐらいのものだ。
道路脇、花壇の余った所、雑草の中、人ん家の庭…。
もともと、増えるタイプなのだろう。この時期になるとどこにでも咲いている。
しかし、雑草並みの増え方とは言え、花が咲けばきれいな物だ。
市民もそこら辺は心得ていると見えて、刈ったり抜いたりしている家は見た事がない。

そんな可愛らしい花のおすそ分けが、我がベランダにやって来たのは歓迎すべき事だ。

いらっしゃい。ヒナゲシ。

…それにしてもたった一株なのに、もう四輪目が咲いている。精力的だ事。

余談だが…
ヒナゲシの咲く季節という事は、ケシも咲く時期なのだろうか。
実際、ケシは一般家庭では栽培できないので本物を見た事がない。
多分、無毒のケシも栽培不可なのだろう。この時期の花畑は皆ポピーだ。
ケシの花畑…噂によるとかなり美しいらしい。
モルヒネだったっけ…痛みを取り去る夢の薬…。モルヒネ同様ケシの花も見る事の叶わない夢の花なのかも知れない。

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